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所長からのメッセージ

社長が考えておられる会社の「課題」は、本当にそれなのでしょうか。

私は、シーエムエー中小企業経営相談所の所長であると同時に、株式会社シーエムエー(ネット系ビジネス関連業)及び株式会社正明堂(高級果実小売業)の経営者です。
私は、旧協和銀行の行員であった頃から数えると約30年間、多くの中小企業経営者の方々と接してきました。経営者の方々は、間違いなくほぼ全ての方が悩みや課題を抱えています。
「うちは営業力が弱くて。」、「製造能力が増えるともっと売上を伸ばせるのだが。」、「社員が定着しなくて。」、「資金繰りが厳しくて。」、「社員がもうちょっと優秀だと良いのだが。」などなど、枚挙にいとま有りません。
ではそれらの事は、本当の「課題」なのでしょうか。それらの状況を引き起こしている「真の原因」についてお考えになったことはおありでしょうか?
私はかつて、株式会社シーエムエーでの新規事業の失敗を契機に、大変な危機を経験しました。その後、その危機の原因は、自分自身に有ったことに気付いたのです。

その時、2011年3月11日14時46分

私は神田にあった、当時の株式会社シーエムエー東京支社近くのコーヒーショップでコーヒーを飲んでいました。東京で展開していた訪日中国人観光客向け新規事業も、少し目鼻がつき始めていた頃でした。前日には、大手企業からのサービスご利用の内示も受けていました。
この新規事業は、TAKE OFFしたな!自信を持ち始めていました。

「ドン、ドーン」
コーヒーショップの入居していたビルは縦に大きく揺れて、お客の誰もが一瞬にして「ただならぬ事」が起きてしまったことを理解しました。「これ、マジでヤバイ!」と叫ぶ声が聞こえました。人々は我先にと店の外に逃げ出しました。私も、ビルが倒壊するかもしれないという恐怖を感じました。

その翌日、ゴーストタウン化した銀座通りをひとり歩きました。暫く中国人観光客の訪日は激減することは容易に予想できました。また、共に働いていた中国人留学生達は次々と帰国してしまう有様でした。
「もはやこの事業は継続できない。」
既に投資した3千万円を諦め、新規事業は撤退せざるを得ませんでした。そして4月末に浜松本社に帰ってきました。
浜松本社内に、どんよりした嫌な空気を感じました。
その直後から9ヶ月後まで、全ての役員と一部の社員たちが示し合わせたように退職していきました。実は私が帰ってくる前に、役員達や社員達は在籍したまま、別会社を立ち上げていたのでした。
最後の役員が退職した後、私はこう考えました。
「例え天変地異が起ころうとも、全ては自分の責任である。自らの不運を嘆いたり、そして彼らを責めるのではなく、自分のどこが間違えていたのかを知るべきだ。仮に地震が無かったとしても、彼らは離れていったはずだ。そして彼らもまた、苦渋の決断だったのだろう。」
自らの過ちを論理的に認識するために、中小企業診断士の勉強を始めました。
学習を進めていく中で、かつて会社が抱えていた主たる問題は、以下の3点であると結論づけました。

①理念が共有されていなかったこと。
②組織の要件を満たしていなかったこと。
③私自身のリーダーシップの取り方に間違いがあったこと。

これはつまり、私自身の経営そのものの過ちであったということです。
今思うと、私は全く傲慢な経営者であったのです。

地震から2年後。幸いにして、取引金融機関には深くご理解を頂き、危機を脱出し、回復軌道に乗せることができました。

また、何よりも支えになったのが、残ってくれた社員の皆さんの頑張りであったと思います。混乱の翌年になんとか利益を計上することができ、残ってくれた全社員にほんの少額ですが、決算賞与を出しました。少しでも「有難う」の気持ちを表すためでした。私は、この残ってくれた社員達に将来絶対に後悔させてはならないと誓いました。
私は組織の有り様について、社員の皆さんから学んだような気がします。

2015年3月31日中小企業診断士登録

3足のわらじを履くことになりますので、迷いもありました。しかし、シーエムエー中小企業経営相談所を立ち上げました。
私には大変に辛かったけれども、価値のある経験があります。また、事業存続を神様から許されたのですから、私は使命を課せられたと感じています。
他の経営者の方々が、私と同じ過ちを犯さないように寄り添うようにアドバイスをしたい。もしも私と同じ過ちを犯してしまったとするなら、その経営者の方々と共に再生に向けての水先案内人になりたい。これが私の使命だと考えています。
中小企業は、言わば数週間分の食料を積んで大海原に漕ぎ出す小舟のようなものです。時に進路に迷います。荒波にももまれます。そして櫂が壊れてしまうこともあるでしょう。また、船頭である経営者自身の判断が間違えていることもあるでしょう。
外部環境は常に変化し、人もまた間違えるのです。重要なのは、外部環境の変化に対応することと、間違いを正しく認識して改めることです。
さあ、私達と共に大海原に漕ぎ出しましょう。数年後は、もっと大きな舟に乗り換えられるように。