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2008年05月30日

裁定取引という考え方

裁定取引とは、これまで主に金融市場で使われることが多かった言葉です。ニュース等でお馴染みなのは、日経平均先物と現物との間で行われる裁定取引に関するコメント。例えば、「裁定取引解消に伴う大量の現物売りが出て.....」なんてコメントはよく耳にしますね。

私は昔に外国為替市場での仕事を9年程やっていましたので、裁定取引と聞いてすぐに思い出すのは、2国通貨間におけるマネーマーケットでの金利差と為替SWAPマーケットにおけるSWAP POINT との間で行う取引です。

要するに裁定取引とは、同一の性格を持つ商品の理論価格と実際価格の差を、理論上はリスク無しに収益獲得する取引のことです。裁定取引のチャンスは本当に様々な要因で引き起こされます。そのあたりの話は、是非専門書などで....。

さて、最近この裁定取引という言葉を、金融以外のビジネスで使っている人を2人発見しました。

まずは、「日経ビジネス4月28日、5月5日合併号」の54ページ、大証ヘラクレス上場のマンション流動化事業を行う「スター・マイカ」に関する記事の中で。

ファミリータイプの中古マンションは、同じ条件でも入居中の方が入居していない場合の方より価格が平均して2?3割安いことに目を付け、創業者の方は以下のようなビジネスモデルを構築したそうです。

●入居中の物件を1室単位で購入する。
●入居中は家賃収入を得る。
●退去後に売却をする。
⇒つまり、物件の保有期間中は賃料収入を、売却時には売却益を得るということ。

この会社の創業者の方は、「不動産屋から居住者のいる部屋と空室で価格差があると聞いた時、金融の裁定取引と同じだと直感した。」とのコメントを寄せています。この方の経歴はこちら。やっぱり金融出身だったですか。

次に、最近話題の公認会計士で経済評論家の勝間和代さん。著書の勝間式「利益の方程式」を読みました。副題の「商売は粉もの屋に学べ」の副題たる根拠が本文中では見つからず、東洋経済新報社のトレンドを意識した策略を感じる1冊ですが、中身は面白かったです。直ぐに実践に活用させて頂きました。

この本、只今知人に貸し出し中の為、正しい引用をここでは出来ませんが、要約すると以下のようなことが書いてありました。

ある企業家が新しい分野のビジネスに乗り出す、その企業家は当面先行者としての利益を享受する。しかし、その後参入する企業が出てきて、価格競争に巻き込まれる。それから後は利益を得られるのが難しくなる。最初に利益が得られたのは、時間という裁定取引だった。

ナルホドねぇと。なんだ彼女も金融出身なんですね。

金融出身の人が好んで使う言葉なんでしょうか。

私も彼らと近い感覚でビジネスを捉えることが有ります。世の中には裁定取引が可能な物が結構転がっていると感じています。だからと言って、直ぐに参入するのはそれなりの障壁が有ったりしますので難しいわけですが。更に昨今は、インターネットによる情報伝達速度の平準化が実現していますので、ある特定の分野、地域において裁定取引が可能であることは直ぐにバレちゃいます。また、後発が参入してくるスピードも追い上げてくるスピードもとても速いことを合わせて言わなければなりません。

だから、裁定取引の可能性を感じて参入し、それなりの利益を享受したとして、その後どうするか。それが鍵となりますね。多額の投資を覚悟してシェアを握り、プライスリーダーとなってしまうか、新たなる裁定取引にチャレンジするか。結構骨の折れることです。

それではこれを苦痛と感じるか?

Absolutely not!

新しい価値を創造し続けなければならない企業家にとって、そんなことは苦痛の部類には入らないでしょう。
かつてシュンペーターも言っておりました。

企業家とはすでに行っていることをより上手に行うことよりも、全く新しいことに価値、特に経済的な価値を見出す人であり、それは権威に対する否定でもある。つまり企業家とは、秩序を破壊し解体する者である。つまり創造的破壊だ。それは企業家の責務である。

m(_ _)m スミマセン。↑この一節、シビレマス。やる気みなぎります。シュンペーターの墓参りに行きたくなります。

よっしゃ、立派な企業家になろう。

投稿者 島上 : 2008年05月30日 12:36

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