2008年5月11日
お客さんは選ばなきゃ大変なことになってしまう。
「お客を選ばない」とYahoo!で検索してみる。表示上位は、「お客を選ばないから良く売れる」、「お客を選ばないリーズナブルな価格」、「お客を選ばないどなたにも受けるおしゃれ着」、「マイルドで食べやすく、お客を選ばない....」のような、商品の供給サイドからの情報が半分以上を占める。
そうですか....。
私はこう思います。昨今、お客さんを選んで商売していかないと大変なことになる。それは、クレームを巡る不幸な悪循環に巻き込まれるリスクです。
この悪循環をインフラとして支えるのがインターネットです。本来クレームは歓迎すべきお客さんからのラブレターです。今も私はそう思います、しかしながら、インターネット出現前と後ではかなりこちらの選択眼が要求されるようになったと思います。ご自身のビジネスとしてインターネットを積極的に活用していても、あるいはそうで無くても。
以下あくまでも個人的な意見です。
まず、インターネット出現前のクレームにはコストと時間がかかりました。クレームを出す方は、かなりの負荷を乗り越えて来ているわけです。お客様センターの営業時間に合わせて電話をかける、あるいはその会社の経営者に手紙を送る、またお店を訪問する等。エネルギーをかなり使います。そして、実行に移すまでそれなりの時間を費やしているわけです。そして、そのお客さんが不快な思いをされたり、欠陥商品を受け取った直後からはそこそこ時間が経過していますので、感情の冷却期間も存在しています。でも、やっぱり我慢できないと思い実行に移しているのです。そう考えると、商売をさせて頂いている立場からは、「まずもって、申し訳有りません。そして有難うございます。」という対応が当然のものとして発生します。だから、クレームを契機にロイヤルカスタマーとなるお客さんが出てくるのです。
そして、インターネット出現後のクレームには、コストも時間もかかりません。そして相手と対面する必要も有りませんので、精神的負担も有りません。もちろん感情の冷却期間も有りません。しかも、その気になれば、インターネット上のあらゆるサイトに悪評を流すことができますし、ネット商店街等に出店しているネットショップに対しては、悪いレビューを残し、その店の売上高にダメージを与えることもできます。「キレル消費者」は確実に増加しています。
理不尽な「キレル消費者」が何故増えているのか?更に突っ込んで考えてみると、以下の要因が浮かびます。
●インターネットショップのサービスの高度化。⇒かつて、ネットショップは中小零細企業ほど勝てると言われた時代が有りました。経営者自ら必死で運営するショップのレベルが高かったのは当たり前です。何でも正確が当たり前のネットショップの世界に慣れてしまった消費者の要求レベルはどんどん上がっています。メールでの問合せに対するショップ側からの返答までにかかる時間に対して、我慢できる時間はせいぜい半日とも言われています。
私は、こんな経験もしました。
「さっきメールで問合せしたんですど.....。何で返事をくれないのですか?」と電話。そのメールは30分前のメールでした。
また、「12時ちょうどの配達をお願いしたのに、まだ宅配業者が来ないんですけど。大丈夫ですか?」11時58分のこと。
●消費者は実店舗で大切にされていない。
⇒小売、サービス業の現場は非正社員が支えています。やはり正社員とは働くスキルや専門知識の面で異なるのは否めません。「痒いところに手が届くサービス」や「全く気の利いた一言」など、イマドキなかなか期待できません。一方ネットショップでアクションを起こすと、相手は自分がどれだけ大切なお客であるかをわかってくれた対応が待っています。専門的アドバイスもくれます。ネットショップ側では、顧客データベースを見て対応しているわけですが。当然、消費者は小売、サービス業に対する全体的な要求レベルを上げてきています。
その結果、現場は様々なクレームに接することになり、熟練していない若い社員などは、クレームは怖いもの、面倒臭いもの、とマイナスイメージを先行させてしまい、その心理が益々対応をマズイものとさせていき、最後は泥沼へと。本来誠実に対応しなければならないお客さんが多く居るのも関わらず。全くの悪循環。
では、この悪循環を好循環に変えるためにはどうするべきなのか?
⇒やはり、カスタマーオリエンテッドな発想を徹底し、どんどん上がっていく消費者の要求に対応していかざるを得ません。
⇒クレームには理不尽なものも数多く含まれるが、まずは相手に冷静になってもらう手続きをルール化し、大切なお客さんを逃さない仕組みを作らなければなりません。
そして⇒「キレル消費者」を取り込むリスクを少しでもミニマイズすること。つまり、お客さんを選ぶということ。そもそも、マーケティング活動の中で、「本来、当社の商品やサービスはこのような方にご利用頂きたい。」という具体的なターゲットを設定しておられるでしょうか。今流行りの「ペルソナマーケティング」に近い発想かもしれません。但し、「ペルソナマーケティング」はデータ分析の結果導き出される点で、「利用して欲しい人」の設定とは全く異なるわけですが。
つまり「利用して欲しい人」を念頭に置いて、その人に共感してもらえるような表現や打ち出し方をしているかどうかである程度「キレル消費者」の取り込みリスクをミニマイズできると、私は感じています。そして出来ない事を事前に知らせておくことも、必要かも知れません。もちろんそれは会社のWebサイトでも行うことです。
また、「利用して欲しい人」を設定してマーケティングをする事は、現代マーケティングの第一人者であるコトラーの定義からも理に叶ったことだと考えます。
マーケティングとは、「個人や集団が製品や価値の創造と交換を通じて、そのニーズやウォンツを満たす社会的・管理的プロセスである。」
消費者のニーズやウォンツの充足をマーケティングの出発点と捉えているわけです。その消費者のニーズやウォンツは全く多様化してしまっているわけだから、ある消費者にとってはとても価値の高いものであるが、別の消費者にとっては全くどうでも良いことだったりすることがあるわけです。またその逆も有ります。「利用して欲しい人」を設定してマーケティングしないと、本来クレームとはならないことがクレームになってしまうことも有るということでは無いでしょうか。
投稿者 島上 : 2008年5月11日 14:07
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コメント
恐れ入ります。そろそろHPのGW休暇のお知らせを消したら如何でしょうか?もうすぐ盆休みです。ところで島上社長の講演は、おおよそ「おいくらぐらい」でお願いできるのでしょうか?是非お教え下さいます様お願い申し上げます。
投稿者 杉本 史郎 : 2008年5月26日 12:09
杉本様
ご指摘ありがとうございました。
私の講演については値段を特に決めておりません。
個別にお問合せ頂けますと幸いです。
投稿者 島上勝則 : 2008年5月26日 20:06





